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NHK杯準決勝…感動の熱戦譜 [観戦譜]

先手21手目▲8八銀。
実戦譜20110320#01.png
3月20日のNHK杯将棋対局準決勝、丸山九段と糸谷五段の対局です。
先手の糸谷五段が△3四の歩を取らずに飛車を▲2八まで引いたのに対し、
後手の丸山九段が▲7六の歩を飛車で取り、
先後逆の横歩取りといった戦型になりました。
この最初の局面、先手には△8三角の打込みから馬を作る手があり、
次の一手が難しいところです。
ここで後手△8六飛、そして▲8五歩-。
実戦譜20110320#02.png
2人とも怖い変化に踏込み、一歩も引きません。
ついさっき解説の谷川九段が変化の一例として挙げた順となり、
後手の飛車が帰還できなくなりました。
「これはただでは済まないですね。」と谷川九段が仰っていましたが、
素人目にもそう見える局面です。
盤上は一気に緊迫してきました。
ここから△2七歩、▲同飛、そして△8七歩-。
実戦譜20110320#03.png
驚きの△8七歩。
後手から歩を打たなくても、先手からの▲8七銀がありそうなところ、
いったいどんな展開になっていくのか、もう目が離せません。
▲8七同銀、△5四角、▲2二飛成、△同金、▲8六銀、△8九飛
といった変化もあったようですが、
先手は▲7九銀、そして△8九角-。
実戦譜20110320#04.png
ついに先手陣の8筋が破られそうになってきましたので、
私は『糸谷さん、たいへんそうやな。』と思っておりました。
TVでも谷川九段が部分的には受けはないと解説、
但し同時に後手の8筋の攻めが重く、
△8九の角も金を取って初めて働く駒になるとの指摘もされていました。
しかし私には先手にどういう反撃手があるのか、
『まったくわからない。』と思っていた時、
糸谷五段の手が盤の左端に伸び、▲9五角-。
実戦譜20110320#05.png
糸谷さんがその手を指されたとき、
私にはその意味が全然わかりませんでした。
しかし「これは丸山九段、ピンチかもしれません。」との谷川九段の解説、
『いったいどうなっているのか。』
私は画面を食い入るように見つめます。
しばらく考えられ、丸山九段はついに△8八歩成、
以下▲8六角、△7八と、▲6五桂-。
実戦譜20110320#06.png
飛車を取った▲8六角とたった今跳ねた桂馬とが、
後手の薄い玉頭に殺到しています。
いくら私でもこの局面では、▲9五角の狙いの一端を理解することができました。
玉頭を受けなくてはいけない後手は△4二金打。
しかし次の一手に、私は目を見張りました。
「▲2八飛打。」
実戦譜20110320#07.png
『すごい。』
遠く△2二の銀と△7八のと金に狙いをつけた自陣飛車、
▲2八に打たれたその飛車が光っています。
△7八のと金を取られては攻めがなくなってしまう後手は、
しかたのない△7九と、以下▲2二飛成、△同金、
そして▲5三桂成-。
実戦譜20110320#08.png
丸山九段はこの手を見て潔く投了されました。
しかし私はあまりの感動に、しばらく動くことができませんでした。

この対局、短手数ではありましたが、
序盤から「どう指すのがいいのか」わからない目の離せない展開が続き、
100手以上の将棋を観戦したのと全く変わらない充実感がありました。
まさに一手ごとに見どころ満載のすばらしい将棋だったと思います。
随所の踏込みのすばらしさ含め、
見る者をこのように驚きと感動で満たしてくださったお2人に
将棋ファンとして、心より大きな拍手を贈りたいと思います。
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